23歳の父からの手紙
20歳になる頃、私の元に1通のハガキが届いた。
風変わりな透明袋に入っていたそれには、
父の筆跡で私宛のハガキが入っていた。
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父は今でも元気に生活しているが、
どうやら若い頃に行った万博の時に書いた
タイムカプセルみたいなものだったようだ。
筆跡はいかにも父らしく、
みみずみたいで読み難い字ではあるが、
【いつまでも笑顔の素敵な女の子でいてね】
【23歳の父 万博より】
と書いてあった。
私は小さい頃から父が大好きで、
この手紙をもらった時は嬉しいと同時に、
ちょっとじーんとしたのを覚えている。
今と変わらず20歳頃も色々と悩む事が多くて、
家族も結局他人だとか思っていた頃だったので、
そのハガキの文章が心に沁みたのだと思う。
ぼろぼろ泣いた記憶がある。
父は結構思いつきで面白い事だったらなんでも
やってみるタイプの人間なので、
これもそんな感じでやったんだろうなと思う。
でも、何気なく書かれた言葉がとても大切なものになっている。
幼い頃の私を笑顔の素敵な子だと父が思ってくれたように、
今も笑顔の素敵な自分でいられているだろうか。
ずっと心の綺麗な父の娘でありたい。